市民と市政をつなぐ議会傍聴情報        2008年(平成20年)726発行

第42号

 

           お           

目  次

議会は今年も「議員研修時の市民傍聴」を“全会一致のルール”を楯に拒否した!

………

 

代表

牧野 順一

 

 

放談会  実現できるか、二元代表制の具体化   

………

会派絡みの二つの要素がカセになる?

 

 

全会派一致原則と政党

 

 

 

 

 

 

市民参画を実現する市議会改革を

鶴牧

神津 幸夫

………

多摩市よお前もか

永山

元山  隆

………

10

優れた一般質問

落合

落合 重美

………

11

どう進む議会改革

豊ヶ丘

勝山  弘

………

12

「初当選新人4議員」の6月議会・一般質問に対する傍聴市民の所感と評価

………

13

 

和田

牧野 順一

 

 

情けない、話にならない議員は出すな

落合

寺嶋  

………

15

お知らせ 

 

 

………

16

 

 

 

 

 

メタセコイヤ通り(鶴牧)

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

議会は今年も「議員研修時の市民傍聴」を“全会一致のルール”を楯に拒否した!

〜過去3回市民協働に有益な研修テーマなのに、議員たちは毎回市民との共学を拒んだ〜

<代表 牧野順一>

<1>                      市民傍聴を拒んだ「20年度議員研修」の議会審議の実情 

多摩市議会は毎年1回全議員26名を対象に、予め「研修費:10万円」を予算化の上、公金(税金)を使って議員研修を実施している.研修のテーマと日時は所管の議運委で、その都度多摩市や議会で重要視されている問題を取り上げ、協議・決定している.

本年度の研修については、5/29・6/18両日の議運委で協議、下記の通り決定された.

@  テーマ:「ストックマネージメント(SM)について」(講師:首都大学・角田教授)

A  日 時:20年85日(午後1時〜4時30分)(場所:パルテノン多摩=第1会議室)

B  市民が傍聴を要請する理由と議運委協議の経緯と結果:

  議員側も現在「資産管理(SM)計画と公共施設の在り方特別委員会(SM委)」を設置し、市民の財産たる公共施設の今後に向かっての在り方を真摯に検討し、議会意見を行政に具申していく取組みを展開中であり、その関連で上記テーマと日時を決めたもの.

*市民も検討対象施設の今後の維持補修に10年間で112億円、毎年11億円の高額費用が必要となると言われるだけに、市民も受講する議員と一緒に関係知識や情報を共学・共有し、今後の市民協働の取組みの中で「的確な在り方」検討・決定に有効に活かしていきたいとの思いで、「開かれた議会」の趣旨に沿って、本研修の傍聴が出来るよう議会側の配慮を要請したもの.

*議運委も委員長の執り成しで、上記両日の委員会でその是非を協議頂いたが、公明と自民2会派は従前同様に「議員研修は議員の公務研修であり、議員のみでやるべし」と反対、他の4会派<民主・共産・改革・ネット>は「テーマに照らして市民との共学に反対する理由なし」と賛意を示して頂いたが、悲しいかな!今回も先の2回(18・19年度)と同様に賛成が多数を占めながらも、結末は古いルール「全会派一致」を楯に否認された.

 

<1>              市民傍聴を拒んだ「18・19年度議員研修」のテーマと市民の傍聴要請の理由

 

18年度の研修<18・10/20午後2時〜5時.パルテノン多摩第1会議室=100名収容可>

@テーマ:「今後の多摩ニュータウンについて」(講師:大妻女子大学 炭谷教授)

A市民の傍聴要請の理由:

  研修テーマは当市の重要拠点の一つ、まちづくりに必要な関係知識や情報を議員と共学・共有し、今後のニュータウン活性化に取り組む市民活動・市民協働に有効に活かしていきたいので、本研修に市民傍聴が叶うよう議会の配慮を頂きたい.(文書要請)

B  議会の対応:議員研修は必須の公務研修であり、今回は認めがたいと文書で拒否.

  19年度の研修<20・2/13午前10時〜12時、午後1時〜3時、会場:パルテノン多摩第1会議室>

@  テーマ:「議会改革について」(講師:山梨学院大学 江藤教授)

A  市民の傍聴要請の理由:

  研修テーマは当市議会が「議会改革特別委」を設置し、多摩市の議会条例の制定を目指して市民も巻き込んで精力的に取り組んでいる.それだけに市民も受講して、上記と同様今後の協働に有効に活かしていきたいので、傍聴を通して共学させて頂きたい.

B  議会の対応:協議の経過と賛否は20年と同様「全会派一致」を楯に否認された.

 

 

<2>              市民傍聴を拒む議会の対応やこの決定に参画した議員達に感ずる市民の違和感

 

  その1. 本件に対する過去3回の「議員研修時の市民傍聴」に関する協議の最終決定は、今尚、永年に亘って自ら定めた「全会派一致」の古き申し合わせを、現下の時代の変化も顧みず、また「多数決民主主義」が本流の中で、なんら臆することなく適用して憚らず、市民のテーマ毎の傍聴要請も市民の思いに斟酌なく頑なに拒んでいる事.

 

  その2. 本件の第1回(18年度)は市民傍聴を文書で議長(山田議長)に要請.協議の結果の拒否回答も文書で議長から頂いた.第2回(19年度)、第3回(20年度)は協議の状況を逐一傍聴したが、協議は「全会派一致」を意識してか、第3回は冒頭反対の意を示したのは公明党、反対の理由は第2回同様「議員研修は公務研修、議員のみでやるべし」の一点張り、自民党も「公明党と同意見」と同調の姿勢を崩さず、この冒頭の反対意見やそれに乗る友党の意見表明で、他の4会派が後で賛意表明しても既に勝負ありの態.

 

  その3. 本件で今一つ腑に落ちない事は、協議の場で、否認が最終決定される前に、賛成会派の委員達も、代表者会議では全会派一致のルール承知の上で、相互に意見や提言を出して調整努力を払い、妥協案作成に知恵を絞っているように、本件でも、市民代表として民意実現の観点から、反対会派委員に“研修テーマが市民協働に有益に結びつく”また“同趣旨で連続3年に亘って市民傍聴の要請がある”ことに言及し、否認態度の再考を促す「調整の取組み」があって然るべしと思ったが、最初の段階で賛意を示した後は、執り成しの発言もなく、最終決定に至ったこと.

 

  その4. 特に市民として大きな違和感を感ずるのは、本件の市民傍聴に率先反対する公明党や自民党が、別途議会内で設置した「議会改革特別委」と「SM特別委」に同僚議員を委員長の要職に就任させ、その中で、活動に有益として、上記の通り「研修テーマ」を選定し、学習した知識・情報を責務遂行に役立たせようとしているが、各特別委共に目標達成までには、その多くの課程で「市民説明会」「市民フォーラム」等々市民との意見交換や懇談の場を多く必要とし、その為には「市民協働」分けて、「心強い市民パワー」は不可欠ではなかろうか.

その展望の中で市民は協働のパートナーたる議員と一緒に研修を傍聴し、関係知識や情報を共学・共有し、今後の市民協働の中で学習したものを有効に活かしていこうとしているのに、過去3回に亘って委員長を擁立している公明・自民両党が先陣切って「市民傍聴」を、「議員研修は議員の公務研修であり、議員のみでヤルベシ!と極めて狭量・観念的な論理で反対し、続けて密室的な研修方式の堅持に腐心していること、また、この事は両党の中でも反対意見表明の委員の立場と両特別委の委員長の複眼的な立場では大きな齟齬や二律背反の矛盾を感じないのだろうか?

この問題に関わる市民グループの一員としてなんとも釈然としない気持ちと両委員長の立ち位置から考えて、「調整の労」を取らない事に正直少なからず腹立たしさを覚えることを申し添えておきたい.

 

 

<3>               本稿の結びとして:去る7/6(日)多摩市の市民団体「多摩自由大学」企画の市民協働に関する有識者を招いての「市民シンポ」に参加し、聴衆の一人として、本件について上記<1>〜<3>の事例を説明し、「市民協働」の観点からの有識者の感想・意見を拝聴しましたので、以下その要旨を報告し、弊意を述べて、ペンを置きます.

 

(1)多摩自由大学企画「市民シンポ」の概要:

 

@日時:7/6(日)午後1時半〜4時半 A会場:パルテノン多摩第2・第3会室 B題目:多摩市民が目指す“協働関係”C発言者<敬称略>:渡辺幸子(多摩市長).山内和夫(東海大学政治経済学部教授).小林 隆(東海大学政治経済学部准教授)司会:白石省吾(多摩自由大学副理事長)<来場者:約70名>

 

(2)聴衆者としての問題提起(印)と有識者の回答要旨(◆印

当方からは、上述の通り<1>〜<3>の18・19・20年度計3回に亘る「議員研修時の市民傍聴」が、いずれもテーマが「市民協働」に有益に結びつくものに拘わらず、市民傍聴要請の理由(思い)にも斟酌されず、「公務研修、議員のみでやるべし」の意向で反対し、「全会派一致」のルールで賛成会派の多い中で、頑なに拒まれている現状について、山内教授に対し有識者の視点での感想・意見・提言をお願いした.

 

山内教授の回答:本件<1>〜<3>の事例では、多言は要しないとして、

 @議員研修は公費(税金)を使用して開催する以上は、“市民への公開は当然のこと”.議員の公費会合でも、個人情報に係わる問題や懲罰等の場合は非公式とする場合もあろう.

 A本件はいずれも「全会派一致」の申し合わせが適用されているが、今回の<1>〜<3>の事例は、目下行政・議会・市民が注力している「市民協働」に有益に結びつく学習テーマであり、目下の環境では、このような問題の採決は民主的な「多数決」が至当だ.

 

  小林准教授の意見:議員研修の市民傍聴については「公開」を拒む理由はない.

 

当方から、渡辺市長を名指して、自治基本条例の「市民の権利」・市議会の責務・情報の共有・情報の公開」等関係条文と「自治推進委員会」関係の条例・規則の抜粋を文書で提示し、下記2点につき「自治条例」の番人の立場にある市長の意見をお願いした.

@  本件の「市民傍聴」の要請拒絶は自治条例の理念や規定に悖るのではないか?

A  本件につき条例・規則に沿って「自治推進委員会」に市民が調整を求める事の可否?

 

  渡辺市長の回答:開口一番「議員研修時の市民傍聴の要請が過去3年・3回も議会から拒まれていたことは初耳・知らなかった」との発言あり.

  続いて、自治推進委員会へ「自治条例」の規定・規則に沿って市民傍聴が叶うよう調整をお願いする前に、私(市長)が質問者の意向をしっかり受け止めて、議会側と話し合ってみるので預けて欲しい・・・旨の前向きの答弁を頂いた.

 

 以上「議員研修と市民傍聴の問題」に関して、議会・議員と市民協働について弊会代表の立場からその思いや問題指摘をしてきたが、本稿を作成しながら正直思ったことは、多摩市の現下の状況は市長を始め行政が住民参加と協働を積極的に展開しているので、議員や議会が良く言う「自分達が住民の代表」の言葉が益々説得力を減じ、その影が一段と薄くなりつつあるという事.

換言すれば、議会・議員が自ら住民参加や協働にきめ細かく取り組まねば、自分達の立場や正統性が更に行政側に移っていく事になろう.

それだけに、住民の信頼をより高めるために、本件の如く議会・議員を取り巻く現下の環境に敢えて逆らうような不適切な対応や、不勉強な資質を露呈する、俗に言う“KY議員的な言動”は早急に改善・解消が望まれる.引き続き“協働”のパートナーとして市民と議会・議員の関係増進に双方で“切磋琢磨”して取り組んでいきましょう!<了>

実現できるか、二元代表制の具体化

会派絡みの2つの要素がカセになる?

   全会派一致原則と政党政治の支配構造

 

6月議会は例年通り、論議の不活発な退屈な議会だった。3月の予算、9月の決算議会に挟まれ、終わると「夏」という季節柄か。そこで今回の会員の放談は議会改革問題が主なテーマになった。出席者は落合重美、神津郁子、神津幸夫、田中誠、半田拓司、牧野順一、元山隆、山下亨の8人。

 


23区のコストを負担、多摩市

A 41号で多摩市はもっと若い人に魅力のある町にする必要がある、という話をしたんですが、それに関して今日はちょっと具体的な報告をしたい。調布に住んでいた娘が今度、わが家の近くにマンションを買って移ってきた。夫婦で働いていて、彼らにとっては高い買いものなんですが、あえてそうしたのは来年小学校に上がる子どもの面倒を両親に見させようという魂胆からです。

B あ、ウチでもそうです。娘の夫婦が近所に引っ越してきた。

A 僕のところだけじゃないんですね。でもまあ、あまり一般的じゃないかもしれないが、そういう親子の関係は、まちづくりという観点からは住民を若返らせる1つのやり方じゃないでしょうか。

C 多摩市は東京23区に比べると、妊婦健診の手当てが非常に低い。多摩市23区に出掛けて働くサラリーマンの町と言ってもいいところがあるから、23区の企業の労働のコストをかなり負担していることになる。

D 確かにそうなんだ。大企業の収益は好調だから23区は増収です。多摩市はその企業を支える社員の生活の場でゴミ処理の負担をしている。(笑い)

C 格差問題が議会でもときどき話題になるけど、先ずは身近なわれわれ多摩市23区の格差問題に取り組んでもらいたい。

 

ネットで活字で市議の声を

D 議会改革関連の話をしたい。この間、改革委員会(議会改革特別委員会)の市議にうちのネット上でいろんな議論をしてみたらどうか、と提案したら「各派の代表者を呼んで座談会をやったらどうですか」と言うんです。

E 面白いじゃないですか。ネット上だけではなく活字にもしたらいい。この「ニュース」に大きく載せて。

F ちょっと話は違うが、「ニュース」の中身については市議の中にも批判はある。それを書いてくればいいんだ。どんな意見でもとは言わないが、原則としてニュースには載せる。それなのに何も書いてこない。

G 「ニュース」には「市議の発言席」とか「市議と語る」というページを作って議員の発言を載せてきた。ところが議員は話は得意でも書くとなると苦手なのか、電話で頼んでも書いてくれなかった人もいた。そのうちにみんな、だんだん書かなくなっていった。

A 「市議と語る」は数年前、当時民主党の市議だった松島吉春氏が最初だった。毎号誰かに登場してもらっていたのだが、これも長く続かなかったね。市議の発言をこっちはむしろ積極的に求めたんだが、自民党や公明党の議員に消極的な人が多くてね。

 

会派が一致して行政に対峙する形に

D 改革委の議論は2つの理由でいずれは山に乗り上げるだろうと僕は見ている。1つは全会派一致という原則。もう1つはその会派が中央の政党政治のタテ支配の中でピラミッドの底辺を作っているという構造です。

G 同じようなことを言われた共産党の市議が「その中にいるのは確かだけど、自分たちは市民の皆さんの生活を基盤にしてものを言っているつもりだ」と言っていた。

A それが大事なことなんだよね。改革委で基本条例を作って市議会の各会派が一致して行政と向き合う形にすると、会派同士のディベートもできるようになるし、地方自治のいちばんの特徴である2元代表制がさらに一歩具体化することになる。北海道の栗山町や三重県の伊賀市ではもうやっていることですけどね。

D 改革委は一応基本条例の制定を目指している。来年10月までには最終案を作成して議会提出という最終ステージを迎える。この会派をめぐる問題をどう乗り越えるか、注目したい。

A 会派の問題は町田ではどうなっていますか?

H 持ち帰って検討、というのはありますね。YesNoをとっさに言える人と言えない人といますから。