ウオッチングニュース40号 目次

 

明けましておめでとうございます             (2)

           多摩市議会ウォッチングの会 代表 牧野 順一

<特別寄稿>

会の新たなる始動に向けて  東海大学教授・政治学博士 山内 和夫

                        (3)

Watch! 12月市議会>              (6)〜(18)

議会改革、資産管理と市長の涙         鶴牧 神津 幸夫

サッちゃんの涙                         粋酔亭 迷楽

議会改革特別委員会の傍聴           永山 元山  隆

19年度多摩市特別職報酬等審議会を傍聴して   和田 牧野 順一

議会が「議会改革に関する議員研修」の市民要望を拒んだ 和田 牧野 順一

一般質問の次元                 落合  落合 重美

「放 談」 新人議員6人の3市議会

<寄 稿>

多摩市議会を傍聴して  くにたち市議会を見ていく会代表 下平 孟功

19)

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明けましておめでとうございます

 

皆様にはお健やかに新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。この一年が皆様にとって、ご健康で、幸せ多き年になりますよう心からお祈り申し上げます。

 

我々「ウォッチングの会」も、多摩市の議会・議員の活動や行政の市政執行の状況を、毎議会傍聴を踏まえて有権者市民の視点で問題を糾し、改革・改善を求めると共に、その内容を弊会発行の「市議会ウォッチングニュース」で広く市内外の皆様にお知らせして参りました。弊会も平成10年春発足以来、早いもので本年春に満10年を迎え、発行した「ニュース」も創刊号から数えて今号で40号となりました。また、昨年は統一地方選に基づく多摩市の「市議選」を4月に控え、3月の時点で皆様にお約束通り「現職議員26名」の過去4年間の議会活動を弊会会員が評価した「議員通信簿」も発行し、有権者各位の候補者選定に有効にご活用頂く取り組みも行うことができました。弊会が政治分野での市民団体活動をこの10年絶えることなく市内外に展開し得たのも、偏に「ニュース」愛読者を始め市内外の皆様の暖かいご支援、ご鞭撻の賜物と改めて厚くお礼申し上げます。

 

私達庶民を取り巻く現下の環境は、振り返れば、昨年末恒例の「今年の漢字」がなんとも情けない「偽」となった如く、政・官・業に亙って、偽装・偽証・偽計…による不祥事が国・地方を問わず相次いで発生し、残念ながら、今なお偽り多き「偽(ぎ)の国」に住む思いです。政・官・業各界には新年に向かって多くの課題が持ち越され、早期に且つ抜本的な解決を求められていますが、我々「ウォッチングの会」も“今年は偽りのない年に”を念頭に、会の目標に沿って、引き続き議会の審議状況や議員の言動、行政の市政執行について監視活動の強化と活性化になお一層注力して参ります。今後とも皆様の暖かい励ましのお言葉や時には厳しいご叱正を含めてご教導、ご支援を賜りますよう重ねて衷心よりお願い申し上げます

 

平成20年1月

多摩市議会ウォッチングの会 代表 牧野 順一

 

 

<特別寄稿>

会の新たなる始動に向けて

東海大学教授・政治学博士 山内 和夫(鶴牧在住

 

 今年は、多摩市に市議会をウォッチングする会が設立されて10年という節目の年である。そして、その会報である『多摩市議会ウォッチングニュース』も40号を数えるに至った。

 

時間に集まるようになった議員

会の設立の動機は、議会を傍聴しに行ったところ遅刻、途中退席、居眠り、私語が蔓延り、市民代表者としての議員の品格・品位に欠けること甚だしく、「こげんこつ、どげんかせにゃいけん」という市民有志の憤りであった。だから、設立初期に発行された会報では、このような品格・品位に欠ける議員を俎上に乗せて糾弾した。結果として、故古藤純一氏(当時助役)が私に対して「ウォッチングのお蔭で議員さんが時間通りに集合するようになった」と言ったように、議員の行儀が良くなるという効果が上がった。

 しかし、物事の本質は決して表面的な行儀の良さを議員に問うたものではなかった。会によって問われるべき点は議会それ自体の中身であり、市民代表としての議員の資質にあった。勿論、会のメンバーとってはそのことは百も承知のことであり、それをしなければ会のレゾン・デートル(存在理由)はないと考えていた。

 会は、市議会に対する理解を深め、知識・情報を蓄積するために、会設立時の1998年10月24日にベルブ永山5階の多目的ホールにおいて荒木昭次郎氏(当時東海大学教授)、新井美沙子氏(当時元多摩市議会議員)等を呼んで『市議会と市民の新しい関係をめざして』と銘打ったシンポジウムを開催したのを皮切りに、他市のウォッチングとの連携、視察、研修等を重ねながら、また傍聴という定点観測を継続しながら、研鑽を積んできた。

 

議会基本条例をつくる

その成果は、『ウォッチングニュース』において議会運営の問題点あるいは議員質問の不可解点という形で随時取り上げられ、そして改選時前においては『議員の通信簿』として市民に公表された。

 『多摩市議会ウォッチングの会』設立10周年というこの節目の年に、多摩市においては『議会基本条例』を制定するという話が持ち上がった。これは、会にとって新たなる始動へ向けての格好の材料を提供したように思える。

 

政治学のイロハ的だが…

 周知のように、議会基本条例は北海道の栗山町をもって嚆矢とする。県レベルでは三重県で制定されたことが知られている。多摩市議会もこれに追従しようというものである。

 余談ながら、『栗山町議会基本条例』の内容は釈迦に説法の類のものであり、議員の心得として、議会のあり方として当然のことが、換言すれば、政治学のイロハ的なものが記されているにすぎなく、こんなことを特段明記しなくとも、規範的な側面は書物から学ぶことで事足りるような、そして実際的な側面は粛々と日常的に履行されていなければいけないようなものである。例えば、栗山町議会基本条例の前文や活動原則の部分に注目して言えば、アメリカやヨーロッパの地方自治体でわざわざそのようなことを条例で謳っているケースがあるだろうか。私の独断と偏見で言わして貰えば、議会基本条例を持て囃しているのは、自律性を重んずる政治学者ではなくて、とかく流行に敏感な行政学者ということだろうか。

 それはそれとして、藤沢周平文学流に言えば、多摩市議会の、そして自分達の『足らざるを知る』ことに気づいて、『多摩市議会基本条例』を制定し、それを範として今後の議会および議員活動をしていくということなので、そのことは一応諒として見守っていきたい。

 

責任・公開・市民参加・住民投票

 だが、注文が2つある。1つは説明責任、公開、市民参加、住民投票の保障である。

 かつて、大日本帝国憲法の制定においてはさまざまな憲法私案がつくられた。勿論、自由民権運動の地、多摩においてもまた憲法私案がつくられた。巷間知られているものとしてはイギリス風の立憲君主制を手本とし、政党内閣制を提案した交詢社の『私擬憲法案』、フランス流の政治制度の影響を受け、人権に配慮した立志社の『日本憲法見込案』といったものが挙げられるが、それらの中でも、植木枝盛によって出された『東洋大日本国国憲案』は、主権在民と徹底した基本的人権を尊重した憲法私案であった。

 しかし、実際の大日本帝国憲法案の作成は秘密裏に行われ、そして出来上がったものは上記の憲法私案とは全く異質なものであった。

 今回の『多摩市議会基本条例』案の作成にあたっても密室の中で行われようとしているという心配がある。当事者達だけでやると、どうしても自分達にとって都合の悪いことは排除され、口当たりの良いことだけが残るということになる。

 その意味で、市民達が『自分達の、自分達による、自分達のための条例』を求めて対案をつくり、議会に市民の署名を添えて提出するという役割をウォッチングの会が担うということは、市民参加の実践ということから大いに期待されるものといえよう。

 

市長の指導力を期待

議会は条例案について丁寧に市民に説明することは勿論のこと、最終的には市民がそれに賛否の意思を反映する機会、すなわち、アメリカの都市において『ホームルール憲章』が制定されるときのように、住民投票を保障すべきと考える。それが地方自治における『自己決定の原則』の履行である。

 もう1つは首長のリーダーシップである。栗山町の議会基本条例の制定には町長のリーダーシップが大いに寄与した。アメリカの市でも議会改革が成功したところでは市長が強力にリーダーシップを発揮した。市長は行政部の長として議会に対して言うべきことは多々あるはずである。三権分立を盾に議会と行政部との相互不可侵ということが言われるが、アメリカの市のように、両者が互いに干渉・牽制・協力し合ことによって地域全体の福利の向上に資するようにすべきなのである。その意味で、議会改革に対する市長のリーダーシップを大いに期待したい。もしできないとするのであれば、市長職は、それができる人物に譲るべきである。

 

市民活動の行動隊長として

 『多摩市議会ウォッチングの会』のメンバー諸氏は市民活動の行動隊長として、そして市政(議会・行政)の監視役として本年を一区切りに新たに始動していくという。私は彼らのその心意気を良しとし、心より拍手・喝采を送りたい。

(了)

 

 

 

Watch! 12月市議会>

 

議会改革、資産管理と市長の涙と

12月議会の傍聴席から

   鶴牧 神津 幸夫

 

12月議会は5日間の一般質問、2日間の補正・条例とも相変わらずの形骸化された議会に終始した。これまでも議会の一般質問で1議員に与えられた35分の通告質問に、用意された行政の答弁の時間浪費を再三指摘してきた。

 

時間浪費せず政策論争を

傍聴席の市民には、このやり取りのプロセスは全て紙上で済ませることの方が理解しやすいと思える。議員・行政ともにあまりにも儀礼的、稚拙なQ&Aの繰り返しに時間消費を行っている。通告質問は事前に用意されるものだから、議会前に紙(出来ればネット上でも)で要点をまとめて行政に提出し、その回答を行政から得た上で議員(市民)の主張する問題点を整理し論点を定め、肝心な政策論争が展開され市政への経営参加、立法を可能にする議場に出来ないものか。

このようなことを傍聴席から言うと議員からは「1000人に近いスタッフを抱えた行政とわずかな政務調査費で賄っている議員は、所詮そこまで昇華した議論をすることは困難」、「せいぜい行政のチェック的役割を果たすのが精一杯」「今の自治法、自治基本条例下では不可能」などなど山ほどの反論、言い訳が聞こえてきそうだ。

遅れ馳せながら、いま注目すべき二つの特別委員会の一つである「議会基本条例制定をめざす議会改革特別委員会」でその検討が進められている。

 

<議会改革>

委員会では議会改革を制定した先駆的な市として三重県伊賀市、北海道栗山町などの事例研究によるベンチマークテスト的学習、多摩市議会先例集の見直し、市民アンケートについてなどの論議が行われている。先の委員会(12月19日)で「委員会への市民参加」「傍聴席の意見表明」が委員会アジェンダに記されたことに一瞬緊張したが、結局お題目に終わり、お流れとなっているが今後に期待できるのか。

 

対案を出そうか

委員会の動向もさることながら、市民にとっては最重要課題と認識するため「多摩市議会基本条例制定する市民の会(仮称)」でも立ち上げその対案を提出できないものか。

 

<ストックマネージメント>

もう一つはストックマネージメント(資産管理)計画と公共施設の配置のありかた特別委員会である。これは行政より提示された「公共施設のあり方に関する基本的な考え方」につき委員会が検討をおこない、その中間報告をおこなったものである。

行政提案の主旨は多摩市の公共施設は他の自治体と比べて高い水準にある。この施設更新には大きな財政負担(維持管理・更新のために20年間で460億円)を強いられる。一方市民の高齢化が進み退職者増加の影響から税収の減少が予想される中での公共施設(道路橋梁等を除く公共建築物287を対象)のあり方の基本を指針したもの。基本的なこととして@身の丈にあった施設水準A機能の妥当性B配置バランスなどを考慮している、となっている。

これらに対して委員会での検討の多くは文言の訂正が多く肝心なことは先送りになっている。例えば公共施設縮減の表現は省くとか、学校施設は暫定利用ではなく恒久使用などである。総論はこれで認められて今後、各論に進んだ時点でこの曖昧さを残し、抽象的なものでは、またぞろ一地区・団体の利害が主張され、無駄な時間浪費が透けて見える。

 

「身の丈」が示されてない

この結果をもたらしたこと、あるいはもたらすであろうと予測される最大の理由は、「身の丈にあった」というその「身の丈」が具体的に示されないからである。

税収減は市民も感覚的には承知している。しかし例えばパルテノン多摩の現行サービスを保つための維持管理の費用は明示されたが、そのための財源が明らかにされず、ここが示されない限り市民は判断しかねる。我々市民は家計でさえ、あれが欲しい、これもやりたいと言っても、先ずは収入の目処を立てないことには決断できない。

 

説明しない行政、追及しない議会

ニュータウンの住宅管理組合の修繕積立金でさえも同様である。行政はこの意味では全くそのアカウンタビリティー(説明責任)を果たさず、議会もその追及さえしていない。歳入(人口動態、市の長期経営計画等に基づく少なくとも収入の3ケース@順調な右肩上がりA現状維持B悲観的な見方。可能であればケース毎の企業にある試算表、損益計算書的なもの)のシミュレーションを示し、分権時代の基本である市民の自己責任、自己決定、自己負担の判断に資するものとして欲しい。

このことに対し行政が先行き不透明な時代にその難しさと、責任を考えると軽々に出すことへの逡巡には一定の理解はするが、今の時代だからこそ必要不可欠である。このことこそ、わが多摩市のまちのかたちの根幹となるところであり、歳入のベースは世代ギャップを埋める納税者の確保であり、その納税者は都心に通うサラリーマン、特にその給与所得者の若者が良好な住宅環境(家も、緑も、子育ても)を求めてくるまちづくりこそ、そのかたちである。

廃校6校の公立小中学校の利用が現在の住民の要請で確保され、その費用負担をし続けることで明日の多摩市はあるのだろうか。その単純な答ぐらいはバランス感覚持ち合わせる市民レベルであることを信じたい。

 

<市長の涙>

12月議会最終日、行政から個人情報の入った電子媒体の市職員の紛失報告があった。

 

問われるトップの責任

議会は当然その状況のチェック、事後処理の対応、再発防止策などなどおこなった。しかし「担当者の対応は?」「事故発生後の管理者のアクションは?」等でその責任の所在と取り方を問うのみである。市民感覚から言えば改めて市の情報管理のお粗末さを実感せざるを得ない。

世の中はコンプライアンス、SOX法等でそのコンピュタの紙の出力までも最低限のログ管理がされている。ましてや公共の自治体の情報管理のこのお粗末さに驚愕している。このことは現場の担当者への情報の扱いがどの程度徹底され、管理者はどう対処したのかの問題ではなく、多摩市の情報管理システムの基本コンセプトがいかに構築されているかが問われるトップの問題(特に情報システム)である。蜥蜴の尻尾切りで済ませられることではない。

 

やがて分かる涙の真実

平成19年度締めに登場した渡辺市長は、2月の職員による酒気運転と今回の電子媒体紛失を涙で絶句し謝罪した。市長の涙は自分の部下大多数が一生懸命励んでいるのにごく一部の職員の不始末への情けなさでこみ上げたものか、はたまたその部下を責める前に、やるべきトップの責務が果た

 

せなかった無念の涙か。ヒラリー・クリントンの涙も、渡辺市長の涙もその真実は明日の結果で見えてくる。

              (了)

 

サッちゃんの涙   迷楽

酒気運転、個人情報の流出は市職員の志気、モラル、緊張感の弛緩と見られるのが悔しい

涙がニュースになった。なぜか。珍しいからだ。それほど最近みんな泣かなくなった。言葉で説明できるようになったのだ。幼児が泣くのは気持ちが説明できないから。市長の涙はやはり言葉を失ったせいか。議場はもちろん言論の場だ。涙ではなく言葉を武器に頑張れ、サッちゃん。

 

 

議会改革特別委員会の傍聴から

       永山 元山 隆

 

 12月19日の特委を傍聴した。

1)栗山町の視察から得た知見

2)議会の先例集の見直し

3)市民の改革にたいする意見の蒐集、アンケート調査のやり方。

上記について審議されていた。

 

 議会と市民

 昨年9月、市政世論調査が実施され議会関係の設問は2つあった。

1)議会のTV中継を見たか ?

2)議会の傍聴をしたことはあるか ?

1.  については90,7%が見ていないと答

えている。開かれた議会を目指して導入されたTV中継も、市役所のロビーだけの公開ではこうした結果は当然である。少なくとも多摩テレビでの実況中継をやれば、市民の一部にはお茶の間に届くことになり、多少は議会が開かれたものになるであろうが。

2.  2問目の答えは93,1%の市民が全く

傍聴してないと回答している。

つい数年前まで「傍聴者取締規則」が存在していた議会だからこうした結果がでることもやむを得ないのか。一部の政党会派の応援団を常連さんとする傍聴席の顔ぶれからは、気軽に傍聴する環境にはないと言わざるをえない。

狭い傍聴席に定員35人を押し込めている現状は、議席にいる議員、行政の理事者たちの空間とは格差が歴然としている。傍聴機会を増大させるためには、議会側から市民に近づくことから始めるべきだ。

ヴィータやベルブ、各コミセンでの出前議会、夜間、日曜などでの議会開催などである。市民の立場からは栗山町の事例とか横並びの流れの中で形だけ整えられる議会改革条例などは全く期待していない。

 

時代の流れと議会

 「議会先例集」という冊子がある。村議会の時代からの慣行、先例を後生大事に守ってきた議会の、前時代的なアンチョコである。

これを特委で見直そうとしている。

時代は21世紀。分権の時代である。

こうした時代おくれの呪縛に拘束されることなく、すべてを白紙に戻してスタートできないのか。委員会のスタンスに疑問を抱かざるを得ない。

また、委員会として今回の基本条例づくりにあたって市民意識をアンケートで聴取するという。市民の意向を踏まえての姿勢は了としても、アンケートをとる技術論ばかりが聞かれたが、議員さん方はどれだけ市民の生活の実態を肌で感じ取っておられるのだろうか。

支持者や特定の団体とのコミュニケーションは活発にされておられるようだが、全市的に地域をくまなく歩かれている議員さんが何人いるのだろうか。

 高齢化が進む多摩市の地域コミュニィティはあちらこちらで崩壊の危機に瀕しその悲鳴が聞こえるようなのに。

 

 議会改革とまちづくり

前回の市議選の投票率は47.94%であった。投票率の低さや選挙が終わると議員にお任せの市民の姿勢にも責任があるが、議員各位が一部の組織政党や団体の利益誘導を目的にし、行政の擁護に奔走しているかぎり、多摩市の高齢者や弱者の方々は格差社会のハザマに落ちこぼれ、その生存そのものさえが危うくされてしまう。

議員の活動は議場のみでは決してない。日常の地域活動こそ市民の生活実感を把握する生の現場である。こうした活動を真摯に取組んでいる議員がまったく居ないとは言わない。ただ、活動のフィールドが固定化し、全体を見ていないきらいが多い。表層だけでなく深層にある事実まで掘り起こし、地域コミュニティの再生に真剣に向き合って欲しい。

  こうした日常的な市民との対話(ワークショップ方式とか)を踏まえた上で、市民と議会の壁を取り払う役割を果たす基本条例を造って欲しい。

  多摩ニュータウンは40年を経過して老朽化の一途を辿ろうとしている。

もはや、このニュータウンを造った国や都や公団も存在しない。残されたニュータウンの膨大なインフラや学校等建築物の更新の仕事は過大なお荷物として市民の肩に重くのしかかっている。高齢化がすすむ市民にこうした負担は耐えられるわけがない。(ようやく議会もストックマネージメントの特委を始めたがほんの上辺だけを議論し始めたにすぎない)

こうした先の見えない多摩市の未来に光を見出すためにも、議会はこれからの多摩市のまちづくりの形を市民に分かりやすく指し示し、高齢者が安心して住み続けることが出来るまちづくり像を見せてあげて欲しい。

すでにお蔵入りしている「多摩市自治基本条例」の第11条に議員の責務が規定されている。「議員は常に市民全体の利益を行動の指針とせよ」と。今一度この条文を思い起こし、議員各位が目の色を変えて真に議会が変わる条例づくりに取組んで欲しい。議員が変わらなければ議会は変わらないのだから。             

了)


 

編集者からのお願い★

次のタイトルの記事は、ホームページのメニュー“Watchingニュース”という欄にある(牧野代表の記事)という項目から見て下さい。

 

19年度多摩市特別報酬等審議会を傍聴して

代表 牧野 順一

 

 

 


一般質問の次元

落合 落合 重美

 

12月3日の一般質問1番の白田満議員の質問は面白かった。テーマは「環境」と「いじめ」で最新の生体分子科学に関するものである。19年度まち・くらしづくり活動賞内閣総理大臣賞の鹿児島柳谷町の人達は、行政に頼らずに「土着菌」を利用して生ゴミを堆肥化し地域の臭気とハエを消し、野菜の生育を増進し、発熱を利用する足浴場を作るなど多額の収入を得て、住民にボーナスを出している。住民活動に行政区画は無く全国的なネットワークになっている。多摩市在住の柳沢桂子さんの生命科学の名著によると36億年続く命と知の乗物である生物の死骸の累積量は膨大だが、我々の眼に触れるのは落ち葉ぐらいである。これはDNAの「知」が分子達を使って生命と死骸をリサイクルする壮大で見事なプログラムが36億年にわたって機能している結果なのだそうである。

白田議員もゴミ処理にバイオマスの導入の提案をしていたが、ゴミは住民が考え実行する問題である。行政にはできない。「いじめ」も、外部情報に反応してDNAが出す指令に基づいて分子が活動して引き起す人間の意識メカニズムの問題で、NHKの「ためしてガッテン」の番組では「怒り」の発生を実験で説明していた。

2001年に人の遺伝子の解読が終了し、生命分子組織が発見されるなど生命分子科学分野は世界観を変えている。生命の分子パッケージは大腸菌もネズミも人も象も同じで、60兆個ある人間の生体細胞の世界をDNAの知が一元的に管理している。「怒り」や「いじめ」の現象は犬や猿も同じでこの知の原始プログラムの仕業である。NHKの実験では、泣き、笑い、怒り、のお面を被って猿に接すると、知が分泌を命ずる怒り発生物質の量が異なり、泣き顔の視覚情報に対して「怒り」が抑制され容認する反応が出る。顔を見る凄いプログラムがある。「怒るな」「いじめるな」と子供に言ってみたところで伸び行く子供の心理を歪める悪影響が出るだけである。いじめ対策も、人間の中にある対応プログラムを引き出し育てるところにある。

府中小学校の6年生の理科で、水溶液の実験をお手伝いした時「新しく発見された生命の分子パッケージはこのような水溶液なんだよ」と話すと生徒達は目を丸くして聴いていた

今はそういう時代なのである。(了)

<放 談>

 

生きのいい議員はいたか

新人議員6人の3市議会

選んだ市民のレベルも反映

 

A 今回は6人の新顔議員の評をやりましょう。うち2人は元議員です。12月で3議会、臨時会も入れればもう4議会経験している。停滞市議会に風穴を開けてくれるような生きのいい新人を挙げて下さい。白田満氏からいきましょうか。保守系無所属、46歳。

B 困ったな。僕には彼のいいところが分からない。話はうまくないし知的レベルも…、ちょっと言いようがない。

A いきなりキツいなあ。(笑い)

C いや、私も同じような感じですけどね。しかしまあ、新人の初々しさ、素直さは多少あるんじゃないですか。自分が所属していない委員会にも出ていたし。勉強のためでしょう。

D 謙虚な人柄なのか「その問題についてはよく分からないが」と前もって断ることが多かった。

 

弱い行政への発言力、白田氏

E 9月の一般質問で公共施設の問題を取り上げて、多摩市の2百幾つかある橋の状態を自分で調べてきた。オッと思ったら、それを延々と説明しているだけなんです。これなんか一覧表にでもして配っておいて、論点を絞って危ない橋はどこか具体的に指摘した方がいいんですよ。最後も、行政にどう考えるかと迫るのが普通なのに、何も提起せずに終わってしまった。

C プレゼンテーションがよくない。語気も弱いし、議員として行政に対抗する発言力が弱いですね。行政に明快に迫れない。

 

20年探した傑物」?

E 僕は彼の質問の原稿は誰かが作っているんじゃないか、と疑っている。原稿の棒読みは彼に限らないとしても、彼はその原稿を読み違えて逆な意味にしてしまったことが2回ある。自分の言葉になってないんだ。

B まさか市役所の職員が書いているんじゃないだろうね(笑い)。一頃よくあったらしいけど。

D 彼、周りには「質問すること何もないんだ。誰か教えてくれないかな」と言ってたらしいよ。(笑い)

C この人実は、臼井千秋さんの大推薦を受けて立候補した人なんです。元市長で多摩市の名誉市民の臼井さん。「ここ20年探し求めてきた傑物」というのが臼井さんの推薦文句ですよ。

B 臼井さんの地盤の地域の人がそういう実態を知ったらどう思いますかね。

A 20年探し求めた傑物」と言って推薦した人の責任は?

C 私はもう少し見守りたい。次の3月議会では2人の副市長問題が出てくる。彼は選挙公約で2人制反対とはっきり言っているんです。採決の時の態度を注目したい。公約違反したら、どうしようか。(笑い)

 

発揮されぬ都議の経歴−佐久間氏

A 平野勝久議員はどうでしょう。自民党の元議員で2期目。65歳。

C この人は選挙のときから体調不良だったんです。それを当選後も持ち越して臨時会も6月議会も休み続け、出たのは採決の時だけだった。9月議会は出席状況も活動状況も、まあ低調だったですね。離席回数も多いし長い。

B 9月はハクビシン対策を取り上げていた。被害届が2件あった、市の対策は、という質問だった。ハクビシンの被害が増えているのは確かだけど。

D 病気じゃしょうがないところもありますね。誰にでも突然やってくるものだから。まあ、あと3年間しっかり頑張ってもらいましょう。

A 次に佐久間むつみ議員。東京都議の経験もある元議員です。4期目。改革ゆいの会の所属で69歳。

E 率直に言ってがっかりしたね、僕は。市議から都議になった人がもう1度市議になった。そういうキャリアだから、議会をリードしてそれらしい質問をしてくれるのか、期待していたんだ。ところが議会では行政に質問して勉強している。期待したのは勉強ではなく経験を生かした質問だったのに。

B 元都議の経歴が発揮されているとはとても思えないね。

C  多摩市の社民党の代表的存在でしょう。でも確かにリーダーシップを取るような個性はないね。知識は持っているようだけど、市議としての意気込みが老いている感じがする。

 

現場で調べて発言、向井氏

A 次は向井かおりさん。46歳。多摩ネットの代表者で会派はもちろんネット。今回が第1期です。

E 僕は議会改革委員会での彼女の発言を期待していたんだが、なかった。本来なら発言しなくてはいけないはずですけどね。

B 福祉問題や介護関係で行政の施策が後追いになっている実態を、彼女は突いていた。自分で現場にいって調査してきて言っている。市民代表としてこれからもしっかりやってほしい。

D 質問の仕方に行政から答えを引っ張り出す力が弱いと思う。不慣れのせいかなあ。政策はネットで協議しているんだから、彼女の役割は、まずはそれでしょう。そういう力が出てくれば、もっと迫力は出るんじゃないか。

E 現場に足を運んで現場から壇に上がる姿勢は、僕は評価したい。

B 僕も向井さんはいい線いっていると思うね。彼女には「迫力に乏しかった」とメールしましたけど。将来に可能性はあるんじゃないですか。

C 将来性はある人だから、今の段階でチヤホヤせずに厳しいことを言っておきたい。

 

公約質問ゼロ−三階氏

A 次、三階みちお議員。公明党。40歳。1期目です。

D 質問のレベルが低いと思う。表面をなでているだけだ。35分の質問時間を消化するのに努めている。

C 公約に関連した質問が3議会でゼロですよ。こんな新人ありますか。

B 同じ新人でも共産党の石渡さんは3つ取り上げている。公明党の先輩議員が指導していないんじゃないか。

E 公明党も組織として人材の育成と発掘をやっているはずなんだが。

 

再質問で鋭さを、石渡氏

A 最後は石渡あきらさん。共産党、

45歳。1期目です。

C 新人で若いだけに議会改革の意識はどうか、注目していたんですが、意識は古い議会のセンスとしか言いようがない。

B 三階氏もそうだけど、単に質問を並べるだけで行政側から体よくあしらわれている感じですね。再質問で第2、第3の質問をするような鋭さがない。これは新人議員に限ったことではないけど(笑い)。

E 公明党と共産党を比べると、まだ共産党の方は出すべき人材もいるし訓練もしているんじゃないか。

D それはそうだ。その点は期待できる。

 

評価は辛めだったか

A 新人議員の評価は多少辛めだっ

たかもしれませんね。でもこれは選ん

だ市民のレベルということになりますかね。何とも情けない話だけど。まあしかし、落ち込んでばかりもいられない。市民に議会の現状をお伝えするために、ますますファイトを、ということにしましょう。

(了)

<寄 稿>

 

多摩市議会を傍聴して

くにたち市議会を見ていく会代表

 下平 孟功 

 

 2007年最後の12月議会が始まりました。くにたちでも傍聴のスケジュール表をつくり誰がどの日を担当するかを決めています。できればひとりでなく複数の目で確かめたいので、みなで都合を出し合いながら埋めていくのですが、今回はそれに加え他市の議会傍聴もやろうというので大変でした。

自分のまちだけでなく他市の議会を見ようと思ったきっかけは「議会改革」の必要性からです。私たちの会は発足してまだ日が浅いのですが、議会傍聴のたびにため息をついたり、怒りを覚えたりするようなことがたくさんありました。初めて傍聴をした人ほど違和感を覚えるのが議会の現状です。会報には議員の方々がぜひ読んで発奮してもらいたいと厳しい指摘もいたしました。反対に努力が見えるような発言を取り上げ、評価もしました。しかし昨年4月の統一地方選挙で議会構成が一部変わってもまだまだ変化が見えず、旧態依然とした慣習が幅を利かせています。自分たちでこれに気がつかないようでは真の地方自治体議員の役割を果たしているとはいえません。

幸い多摩市では「多摩市議会ウオッチングの会」が、10年も前から先駆的な活動をされています。そこで多摩市議会とともに、自転車で行ける範囲にある隣の国分寺市議会とふたつを傍聴することにしました。結果は?これは面白かったです。常識と思っていたことがあっさり覆され、百聞は一見にしかずの諺はだてではないと感じました。

 12月5日の午前中に会員ふたりで多摩市に出かけました。多摩市議会は私も初めてです。多摩の牧野代表が出迎えてくださり、行き届いたご案内を受けたため、初めてでも戸惑いはありませんでしたが、議会の入り口が少々わかりにくくひとりだとかなり迷ったと思います。くにたちでは議会が仕切られかなり閉鎖的なのですが、その点多摩は委員会室や議員控え室、議会事務局、議長室などに続いて議場があり、オープンな好印象でした。でも入って少々驚きました。議場が平場で議員席との間には机代わりの仕切りがあるだけです。一番後ろの議員席と傍聴者の距離は2メートルくらいしかありません。ただ平らなので、後ろから見ていると議員の様子がわかりにくいのは難点です。議長席のみ少し高くなっていて、質問席は議員席の中央最前列にとってあります。対面式で質問するのは良いですね。全体に議場が狭い感じなので傍聴席も当然狭く、可動式の椅子なので増やせるようですがこの日は40席ほど用意されていました。可動式というのは便利は良いけれど議員席とは質が違うので、長くいるには少々座り心地が問題かもしれません。

この日は一般質問の日でしたが、答弁者がたくさんいるのに驚きました。国立だと市長以下理事者と部長クラスのみなのですが、多摩市はまちの規模が大きいのでこんなに部があるのでしょうか。また答弁席が議長席の前に設けられ、答弁する人はいちいち立ってそこに来て答弁します。う〜む、これは時間の無駄ではないでしょうか。議員の持ち時間が35分で、答弁の時間は含まないというのはとってもいいと思いました。自分の意見だけだらだら並べた質問ではすぐ時間がなくなるわけですし、的を射た質問を組み立てればかなり時間があるので実のある質問につながるような気もします。ほとんど全議員が毎回一般質問されるというのはさすがです。

休憩時間を昼と3時にしか取らないのも驚きでした。くにたちでは1時間ごとにきっちり15分取ります。休憩時間を取らない代わりに各々の判断でトイレタイムなどを取っているようですが、見ていて人が出たり入ったりするので実際は何のために出たのかわかりません。しばらく席に戻らない議員もいるようです。

たった半日で全体をはかることは出来ませんが、印象として多摩市議会は自由度が高くフレンドリーな感じです。多摩市民の民度と「ウオッチングの会」の今までのご苦労の成果がここまで来させたのだと思います。私たちも頑張らなくては、と改めて思いました。            (了)

 

<後 記>前号のこの欄で当会のホームページについてお知らせしましたが、その後さらにページを充実させURLも改めました(表紙の題字下に掲載)。中身は今のところ会の紹介、前号39号の全文など。今号もやがてこの電子ページに登場します。活字➝電子という順序はすぐに逆転するでしょう。電子ページについては次号でもっと詳しくご報告します。今はそれぞれのページをお楽しみ下さい。活字ニュースはお陰をもって今号が40号。会もこの春に満10年になります。これからもよろしく。  (H)