市民と市政をつなぐ議会傍聴情報                  2008年10月25日発行

第43号

 

           お   

目  次

放談会  「安全なまちづくり」にもっと地域力を      ・・・・・ 2

早くも元に戻った特別職・教育長の報酬

払うか稼ぐか他の道か、学校の跡地問題

 

今、問われるまちの資産のあり方      鶴牧 神津幸夫・・・・・ 6

20年9月議会で捉えた特報事項      和田 牧野順一・・・・・ 8

町田市民の多摩市議会の出前委員会と

定例会の一般質問の傍聴記(5)   町田 田中 誠・・・・・ 9

防犯はDNAの知が相手          落合 落合重美・・・・・10

多摩市議会史上初の議員間討論       鶴牧 神津幸夫・・・・・12

国立・狛江両市議会「9月議会」を

傍聴して思うこと          和田 牧野順一・・・・・13

お知らせ                        ・・・・・16

                              多摩中央公園旧富沢邸

 

 

 

 

 

 

   「安全なまちづくり」にもっと地域力を    

早くも元に戻った特別職・教育長の報酬                     

払うか稼ぐか他の道か、学校の跡地問題

 

9月議会は1日から10月3日まで本会議と関係委員会などで実働22日間。市民の保養所「ふじみ」の民間への移譲、保育料の値上げ、安全まちづくり条例など市民生活に関係する幾つかの案件が決まった。その中からまちづくり条例、教育長の報酬復活、学校跡地の問題について傍聴会員を中心に放談を試みた。出席者は落合重美、勝山弘、神津郁子、神津幸夫、寺島信、半田拓司、牧野順一、元山隆の8人。

 


 

審議未了になりかかった


A 9月市議会で可決された条例などを取り上げましょう。まず「犯罪のない安全なまちづくり条例」。

B 安藤議員(邦彦、公)が珍しくゴネてたですね。市内のいろいろな地域では市民が拍子木を叩いて夜間防犯パトロールをやっている。この条例はそういう市民活動の背中を押すことになるのに。街で「お前らに何の権限があるんだ」と言われてもこの条例があれば説明できる。それなのに安藤氏は条例案のテニオハまで取り上げて抵抗していた。僕は担当の市の部長に、いろいろ言っている連中には「言われているようなことは最高規範の自治条例にも書いてある」と言えばいいと言ったんですよ。

C 総務常任委員会でいったん審議未了になりかかったんです。板橋議員(茂、共)が「防犯は警察の仕事だ、それを市民にやれと言うのか」という意味のことを言って、交番や駐在所の勤務体制や設置状況と小中学校や公共施設での防犯器具の整備状況などが分かるものを出せと資料請求をした。行政は何か至上命令でもあったのか、議会改革委員会が早く終わった日に、関係資料を出してきた。その日の夜8時まで委員会審議をやって結局は付帯意見をつけて4対2で可決された。

A 安藤氏は制定には賛成なんですよ。彼の言い分は「犯罪のないまちづくり」という条例のタイトルと中身がそぐわないという主張で、「犯罪とは何か」という定義の哲学がいるような話になるというんだ。タイトルを「市民防犯活動支援条例」みたいにしたらどうかと言っていた。一理あると感じましたね。

 

 

虫も人間も嫌がる

D 「安全なまちづくり」というのは、ここ3年間いつも市政に対する市民の要望(市政世論調査)のトップになっていて市長も政策の最重要テーマの1つにしている問題ですね。議会でも多くの議員が事あるごとに口にしている。何が問題なんですか。防犯カメラの問題ですか、プライバシーですか。

E その問題は肖像権との関係で訴訟になって最高裁の判断が出ています。「私益より公益が優先する」という判断で、私権を理由にカメラの設置を断わることは出来ないことになっている。だけど難しいのは、落ち葉をめくると隠れていた虫が行き場を失ってウロウロするでしょ。それと同じで暴かれるのを嫌がるのは動物の本能なんですよ。人間も同じでしょう。

 

「自分を守る力を」

G 遠藤さん(めい子、民)が一般質問で「子どもを守る守る」と言うけど、それよりも「子どもに自分を守る力を与えてやるのが大事だ」と発言していたね。

H いや最近は子どもにうっかり声をかけると110番されそうですよ。不審者情報って再発を防ぐのが目的になってはいないようです。こういう不審者がいたということを連絡し合うのが目的のようなんですよ。近所の学校の教頭から「昨日こういうことがありました」という文書がファックスでくるんです。何が不審なのか何も書いてない。誰かが言ってくると即、という感じなんだ。

A 人を見たらドロボウと思え、ということですね。それでいいのか。どうすべきですかねえ。

F ここまできちゃったら、もう世の中を作り変えるしかない。長い時間が掛かるけど。それほど難しい。

H だからすぐ法律を作ろうとするんだね。学校の問題だったら、市民が子どもの通学とは無関係に、より多く学校にかかわれるようにすればいいんだと思う。

E 学校に地域が入るということですね。

A つまり地域力ですね。僕も同じ団地の子どもに声を掛けてひどく警戒された経験はある。最近の子どもは挨拶もしないしね。だからまず、親が互いに挨拶をしよう、まずは管理組合のレベルから始めたらどうでしょうか。

 

市長、副市長は継続

A 次は足立教育長の報酬を復活する件。10%カットしてきたのを10月から元に戻した。理由は職務は激職であるのに、部長の収入と同じレベルのままだというんです。3役のうち市長、副市長の削減は継続するそうですけど。

E 世界的な金融危機で株は暴落し大和生命が潰れるこの時期にやるかねえ。これから銀行の貸し渋りで潰れる会社も増えるでしょう、そういう時期に。

B 市が行財政再構築プランを作って、その痛みを分かち合うために特別職は率先してやる、と4年間やってきた。それを何で今? というのが率直なところですね。痛みを分かち合っている多くの市民には今回の処遇復元の決定は一体感もないし違和感がある。

F 部長と同じじゃまずいんですか。

A やはり地位が上だというわけでしょう。特別職だし。

F 部長と同じというのはカットされているからでしょ。その間、金額的には同じかもしれないけど、名目上は差ははっきりついているじゃないですか。

A 市の財政も改善された。去年も黒字だったし。

F 財政的にOKになったんなら市長も副市長も元に戻せばいい。考え方としてはそういうものじゃないですか。

向こう受けを狙う小政治的判断は別にあるとしても。

 

議員報酬はそのままか

C 市議会で野党議員から「次は副市長を元に戻すのか」と聞かれて「そういうことはしません」と市長は明言している。とすると、なぜ教育長だけなのか。

D 都の圧力じゃないですか、推測だけど。足立教育長は都からきてますから。他市とのバランスとか。

B あり得る話だな。

E 日本の教育行政はタテワリなんですよ。まるで治外法権みたいな感じだ。

D 分権になってないんだね。先生の任命権は都が持っている。だから大分県のようなことも起こるんですね。

F 議会で教育長の報酬復活に反対したのは?

C 改革と民主の計6名。共産はどういうわけか賛成に回った。

B もう1つ、議員報酬の削減について。来年度は今年度比で歳入が6億円不足だというので、21年度予算案との関連で議会費総額(19年度3億7500万円)に対し10%前後の削減を行政から要請されている。

議員たちは削減の財源に議員研修費(10万円)とか行政視察費用(315万円-285万円=30万円)とか、ちまちました費用を論議していたけど、これも現状は市民の目線では費用対効果の点で無駄が多いように思うんだ。削減も結構だが、この際16年から行政特別職3人(市長、副市長、教育長)の報酬追加削減を承知しながら同調することを無視してきた「議員報酬の追加削減」をこの機会に行政特別職と同率で実行し報酬総額(19年度ベースで概算2億3000万円)の10%、2300万円を削減原資の中にぜひ繰り入れて欲しい。市民もそれを知ったらきっと両手を挙げて賛成するし実行すれば高く評価すると思う。

 

成熟した市民の陳情

A 学校の跡地問題にいきましょう。市内で今、廃校は6つ。あと3つ出る。貝取・豊ヶ丘2、百草1。現在の6校のうち1校が中央図書館であとは暫定利用という形です。

B 南落合複合施設は年1700万円の賃貸で民間から事業者を募集した。「教育関係の事業」などの条件がついて9月19日に締め切り、いま行政が審査をしています。

G 南永山小学校の跡地は17年前から暫定利用だけど、もう壁が落ちたり危険な状態で電気設備の修理だけでも7000万くらいかかるらしい。つぶした方がいいというのを共産党が中心になって反対した。これまでちゃんとメンテナンスしてこなくてこれ以上修繕が出来ないということは利用している市民に出て行け、という意味か、とか。

D 南落合の施設については市民から陳情が出た。中身は3つ。1つは代替施設の確保に努力を。2つ目に生涯学習への理解や協力が得られる取り計らいを。3つ目はこの話がご破算になったら元に戻せ、という主張です。学校跡地の使用を既得権のように主張するのではなく、市の財政全体を考えた上のお願いという意味で、成熟した市民の陳情と思う。これからのあり方の一つを示唆している。委員会では趣旨採択だったけど。

 

「議員さんは何していたの?」

E 運営費を税金だけと考えているらしいところがおかしいんだよね。今やファンドは自分たちで作ろうという時代ですよ。世田谷の主婦たちは10億円作った。こういう施設で生産性を上げるのは不可能ではないんだ。

D 南落合のケースでそのような展開が出来るといいね。少なくとも「そこでやる事業は教育、環境」などと行政が注文をつけているから、世田谷の場合のような可能性は出てくるかもしれないな。

G 歳入の面で市税が6億も不足するときに学校が9つ不要になる。学校を含め市の公共施設を全て使えるようにするためには維持管理費だけで10年間で110億円も掛かるらしい。とんでもない金が掛かる。払えるんならいけど払えないんならわがまま言うな、ということになりますよ。金を払うのか稼ぐのか、他の道を考えるか、市民が自分で選択すればいいんですよ。

E 格差という問題もあるね。既存地域の住民は利用できないから。そういう施設に税金をつぎ込むのはおかしいという議論だ。

D だけど、例えば集会所。既存地域には以前からあって市が土地とか建物とか面倒を見てきたんでしょ。ニュータウン地域の団地は自前ですよ。

C 暫定利用では公明党の議員が「17年という暫定があるか。まるでガソリン税みたいだ。行政の怠慢ではないか」と噛み付いていたけど。

A そのとき傍聴席で声あり。「そういう議員さんは何していたの?」(爆笑)。

(了)

  

円形吹き出し: 救急車出動要請約3,700回/年、
内4割は救急性なし
タクシー替わりか、コンビニ受診か
(夜は直ぐ診て貰える)?

 

 

 

 

 

 

 

議会こぼれ話


 

 

今、問われるまちの資産のあり方    鶴牧 神津幸夫


 

市民が自覚しなければならないこと

ニュータウン開発計画は30万人都市構想のもと開発された。(一部稲城、八王子を含む)現在は多摩市は14,7万人で計画を大幅に下回っている。単純に考えると一人当たり換算では過分なインフラ・公共施設を持っていることになり、その資産の恩恵を享受している市民はその維持管理に相応の負担義務があると考えることが自然である。

公園、学校の数(既に6校が廃校なり今後も増加する)、道路、ペデストリアンデッキなど、どれをとっても都下の他地域と比較して圧倒的に恵まれている。

一方、計画どうりに今後30万人都市発展への可能性は見出せない。多摩市は団塊の世代の年齢構成が中心のため、高齢化への加速は世界のトップレベルであり、現実次年度は6億円の収入不足へ突入とも言われている。

市民はそれでも一旦手に入れたこの住環境確保のため高負担(年間10億円超の維持管理費)に耐えてゆくのか、それとも身の丈に合った公共施設に変容させるのかの決断を迫られている。

 

行政と議会にどうしてもやってもらわなければならないこと

この9月決算定例議会でもいくつかの公共施設関連事項が議論されたが、市民がどの方向を選択するのか判断に足る情報は大変不足している。今回可決となった「やまばとホール廃止」「八ヶ岳市民保養所民間移譲」で  

 

も議員の一般質問、補正予算、決算、常任委員会各場面を通しての質疑は局所的、短絡的な議論に終始し、肝心

な今後の方向性が何も示されていない。やまばとホールは撤廃としたが今後どうするのか(市全体への貢献度など)、八ヶ岳保養所は富士見町の公社に経営を移譲するが本来の目的とした民間力を発揮できるのか、その結果将来どういう方向付けをするのか。

市民は自分の身近で直接利害に関した主張は行なうし、またその代弁者である議員もその意向を議会に反映することは当然である。しかし保養所など一度も行ったことはない、やまばとホールって何処にあるのといった市民も多いこともまた現実である。議員は市民の代弁者ではあるが特定の団体・地域代表のスタンスのみに終始したのではその任務は果たせない。

「旧南永山小学校跡地問題」「旧南落合小の総合福祉施設問題」も議論の中に「行政は廃校6校の跡地利用は市民に暫定利用の前提で開放したが、暫定が10数年に及んだことは怠慢」「南永山小は修繕を何もしてこなくて天井が落ちてきたから取り壊しとは、市民に出てゆけと言わんばかりの仕打ち」との議員からの声もあったが、市民としては「じゃー議員さんもその間、一体何をしてきたのとも言いたくなる。

南落合複合施設の市民陳情は成熟した大人市民の声である。陳情は今回の行政計画に頭から反対するもので

はなく、その代替場所の確保努力と、進出事業者に理解・協力が得られるべく取り計ることの二点において、今後のあり方の方向性の一つを示唆している。

尾根幹線、稲城・八王子はスイスイ、多摩市部分に入ると突如大渋滞。

このイライラは耐え難い。その上渋滞幹線回避のためニュータウン内生活道路に迂回する車の急増は安心して暮らしのできるまち並みとはいえない。稲城、八王子部分は二車線に整備され、多摩市部分のみが、広々とその用地確保されているにも拘わらず草茫々。と指摘する議員も多いが嘗てこの幹線建設に反対の議員もいて、掘割式建設の条件を出したため10倍もの費用がかかる建設は都も後回し

とのこと。この結果責任を問わないまでも長期展望に立ち、一日も早い解決へ議会・行政一丸となってこの失態の挽回を望みたい。       

 

 

 

 

 

 

 

ストックマネージメント(資産管理)計画と公共施設の配置ありか方特別委員会に期待

昨年7月にこの特別委員会が設置され藤原マサノリ委員長、加藤副委員長他10名の委員にて発足、十数回の委員会を鋭意、重ねている。

これまでに議会へもその中間報告がなされその結果が「やまばとホール廃止」などの議決に繋がった。

行政からの白書、委員会の総論の共通認識(物件費増大の危機感、身の丈にあった公共施設等)までは良かったが各論に入るや山また山に乗り上げている。これは委員会で常に部分最適(少数者の意見を汲み取ることは必要)を踏まえ、全体最適を考えなければならない。スタート時の共通認識に立ち返った議論が進まないところに問題がある。

市民も何が正しいかの判断のための情報が提示されないため、身近なテーマで左右されてしまう。市民が最も欲しいのは中長期にわたる現在の公共施設を維持するための財源の明示(これからの歳入見通し)、その中で許容される公共施設の情報(優先順位)である。委員会もそのための情報収集を独自に行っているが、委員の1人、2人で賄える範囲には限界がある。行政の情報が信頼不足なら、何故行政のスタッフを使いこなさないのか不思議である。市民はその仕事が議員か行政かの区別などしていない。

当面委員会今後の計画として

@  分析中のデータベースが揃った暁に何を目指すのか

A  市民と情報共有のためのフォーラムをキメ細かく実施する

が予定されているが大いに賛成である。是非市民に分り易い情報を用意し意見交換の場とし、この危機感の共有こそ市民協働の原点である。 (了)

 

多摩センター駅前一等地草茫々

セボン且謫セ後1年経過、民事再生法

適用で計画頓挫

 

          議会こぼれ話

 

 

 


(ILM01_AB01029) 町田市民の多摩市議会の出前委員会と

  定例会の一般質問の傍聴記(5)  町田市 田中 誠


1.出前委員会の傍聴                                   


5月に3回開催された多摩市議会出前委員会「こんな議会にしたい!」を傍聴して、議員の皆さんが意欲的に議会改革を目指して、市民意見を取り入れようと努力しておられることに大変に感銘を受けました。

 11日と14日と2回傍聴して、率直な意見を述べ、又、感想文を提出しました。

 

 参加した多数の市民から、数々の市民意見が述べられましたが、主な意見陳述として、

@先ず、この出前委員会の結果を、どのように反映し、取り入れてゆくのか

Aこのように市民との対話の場を作って、市民の意見を吸収し議会に反映して欲しい

B  多摩市のために活躍してゆける議員になって欲しい

C  市議会の効率化といわれているが、どのような仕組みで効率化を進めてゆくのか

D  議員報酬と議員数が適切かどうかなどについて、質問と陳述があり

E  市議会をサラリーマンが傍聴できるように、夜間や休日の開催が出来ないのか

F  一般質問において、質疑の仕方の向上と共に、もっと市民提案の提示を望む

など、所定の時間一杯に出された多数の市民意見に対して、委員会の皆さんが、熱心に対応されていたことに好感をもてました。

 

 その後の議会改革委員会で、ここで討論された事柄を振り返って議論されているようですので、市議会の機能をより高めるための改革が実践されるように期待しています。

(ILM01_AB01032) 

 

 

 

 

 

2.一般質問の傍聴:

9月の市議会の傍聴に限ったことではなく、改善してほしいと思える数々の問題点が考えられ、今回は紙面の都合上、「市側の答弁の在り方について」の問題点を