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▼2 星の誕生:太陽は、暗いところで生まれ、一瞬明るく輝く
星の誕生から成長のようすを、ざっとみていきましょう。
1 宇宙空間
星は、宇宙空間で生まれます。ふつうの宇宙空間とは、どんなところでしょうか。
宇宙空間は、ほぼ真空です。つまり、ほとんどなにもものがありません。ごく少しのものだけがあります。地球や太陽系をみていますと、ものがいっぱいあるように思いますが、平均すると宇宙は、ほとんど真空といっていいほど、なにもありません。
宇宙の平均の状態は、正確に見積もることはできませんが、臨界密度(りんかいみつど)という状態が平均的とすると、10^-30〜10^-29 個/cm^3 (注: ^-30
という書き方は、「 ^ 」記号の後の数字が指数を表すことにします。つまり、この例では、「10のマイナス30乗」という意味です) 程度の水素原子が(あるいは分子)あることになります。1個の水素原子をみつけるためには、10^29から10^30cm^3の広さの空間(つまり、1辺が約10万kmの立方体に相当)を探さなければならないのです。わたしたちのサイズからいえば、宇宙は、ほとんど、からっぽとみなしてもいいほど、ちいさな密度でしかものはありません。
さらに、宇宙の温度は、絶対温度で3度(-270℃)という低い温度です。
2 星の誕生の場:分子雲
いくらなんでも、平均的な宇宙空間では、星は、生まれません。もうすこし、ものがあるころでなくてはなりません。分子が少し多いところは、分子雲(ぶんしうん)とよばれているとこです。
望遠鏡で見ると、分子の多いところは、光が通りぬけられません。ですから、分子雲のあるところよりうしろのほしが消えていることから、分子雲があることがわかります。
夜、星をみているとき、雲があると、うしろにあるはずの星が見えないのと同じです。
分子雲は、観測によってたくさん見つかっています。まれにですが、分子雲の近くに、明るくかがやく星があると、分子雲がその光にてらされて、美しく輝く(
⇒スライド参照)こともあります。
さて、分子雲には、どのていどものがあるのでしょうか。平均的宇な宙空間とくらべると、とてつもなくたくさんのものがあります。その量は、10^2〜10^3 個/cm^3というものです。1立方cm(1cc)に100から1000個の原子、あるいは分子があるのです。

地球と比べてはいけません。地球はやたらものが多いところですから。宇宙空間と比べると、26桁(けた)以上も、ものが多くなっています。
分子雲のように物が集まると、温度も温かくなります。絶対温度で10〜30度(-260から-240℃)まであがります。
このようなところがあると、星が生まれることができます。
分子雲は、おおくが水素分子(70〜75 wt%)からできています。ついで多いのがヘリウムで(23〜28 wt%)で、残りが、その他の重い元素(2〜3
wt%)となっています。
分子が多く集まっているところで、もし、なんらかの原因で、ものの密度にムラができますと、密度の大きいところは、ものがたくさんあるところですから、まわりとくらべて、引力も強くなります。ですから、まわりから、ものが集まります。いったんムラができて、ものが集まりだすと、ムラはより大きなムラへとなってきます。
そうなると、密度はだんだん大きくなり、分子雲のあちこちに、核(かく)となるようなところが、できてきます。そのようなところを分子雲コアとよんでいます。
分子雲コアは、分子雲の2桁から3桁くらい(10^4〜10^5 個/cm^3)にまでなります。分子雲コアは、ものの量が太陽系の数倍程度、大きさは10^4天文単位(AUという単位、地球と太陽の距離で1.5×10^11mのこと)ていどがふつうです。
密度が分子雲や分子雲コアほどの小さい場合は、縮まることことによる加熱と、熱の放出(放射)は、つりあっていて、温度はほとんど上がりません。温度が上がらず、密度だけが増えていくことになります。
「なんらかの原因」で密度のムラができるといいましたが、その一般的な原因はよくわかっていません。磁場、超新星爆発、宇宙分子流など、いろいろ言われていますが、どれがいちばんの原因かわかっていません。
3 星の誕生:原始星
分子雲コアができても、星に成長するか、分子雲コアのままでいるかが、大きなわかれめとなります。
気体の分子には、広がろうとする性質(拡散といいます)と、重力によって縮(ちぢ)まろうとする性質(収縮といいます)の2つがあります。この相反する力のどちらが勝つかによって、そのごの運命が決まります。
重力が勝ったとき、収縮がはじまります。つまり、星の誕生へと進みます。
収縮がはじまると、分子雲コアの密度が大きくなります。ものの中心部、つまり分子雲コアの中心で、密度が最大になり、そこが、重力の中心ともなります。そこをめがけてガスが集まってきます。
ガスが集まりながら、衝突することによって、ガスの持っていた運動のエネルギーが、熱のエネルギーに変り、中心部の温度は上がっていきます。
分子雲コアの温度は、ものが集まり、縮むことによって発生する熱と、その熱が外へ逃げいくこと(赤外線による放射冷却といいます)の関係によって、決まります。
しかし、あるていど以上に密度が大きくなると、赤外線が外に出れなくなります。すると、熱がにげることなく収縮(断熱圧縮といいます)がはじまり、分子雲コアの温度は、上がっていきます。
やがて、分子雲コアの中心温度は10万K(絶対温度の単位)から100万Kにまでなります。密度は、10-^13 g/cm^3以上となります。このようなものを、原始星とよんでいます。
原始星でも、内部の熱による広がろうとする力と、重力によって縮もうとする力のつりあいによって、大きさが決まります。
このような状態にある原始星は、じつは普通の望遠鏡ではみえません。光(可視光)は、原始星のまわりにガスがたくさんあるために、外へは出れません。ただし、赤外線がもれているので、赤外線で観測すれば、原始星をのぞくことができます。
原始星のまわりにガスがあると、ガスは重力によって集められます。原始星の重力が強くなると、集まってきたガスも猛スピードで集まってきます。いきおいあまって、うまく原始星にはいらずに、自転軸の北極と南極あたるところから、飛びだしていくものがでてきます。このようなものをジェット(双極分子流とよびます)といいます。
ガスがあつまると、原始星の温度や圧力は、ますます上がっていきます。やがて、原始星の内部で、水素原子同士が強い力でぶつかると、水素原子がくっついてしまいます。これを核融合といいます。原子の火がともるわけです。つまり、現在の私たちの太陽とおなじしくみで、かがやくことになります。
このような星を、ややむつかしいですがT-タウリ期星(T-タウリといいう星がこの段階にあることからつけられた名前)といいます。
T-タウリ期星は、できて間もないころは、核融合を始めたとはいっても、まだ不安定で、最初は異常なほど明るく(太陽ほどの質量の星だと太陽の1,000
倍ほどの明るさ)なります。
このころ、分子雲にあったガスも、なくなるか、惑星の軌道(ディスクといいます)にあつまって、星の光が、外にもれはじめます。
つまり、T-タウリ期星が、光りかがやいて、私たちにも見えるわけです。
やがて、不安定だった核融合も、安定してきます。安定するということは、明るさがへって、太陽ほどになっていくことをいいます。このような核融合が安定したが星が、夜空にかがやく、大部分の星々なのです。
Tタウリ期星の状態は、3×10^6〜3×10^7年(3千万年) 程つづきます。
Tタウリ期星を、林フェーズとよんでいます。林フェーズの林とは、林忠四郎という研究者の名前です。林さんは、この時期の星を研究した開拓者のひとりです。林さんの業績をたたえて、林フェーズとよんでいます。
4 多数の情報を集めると役に立つ
星の変化の過程を調べるとき、わたしたちの太陽のように、一つのものの変化が、非常に遅いものでは、いっけん役だたないようにみえます。でも、似たようなもの、つまりは星の観測データをたくさん集め、うまく並べていくと、その発展過程を、まるで時間をおってみれるかのようになります。
そして、そこにモデルという理屈が生まれると、そのデータの羅列(られつ)が、一連のストーリーとして意味をもつようになります。
5 その後の原始惑星円盤の惑星形成論
これまでの標準惑星形成論では、まず太陽などの恒星の周りのチリを含んだ球場のガス雲が、恒星の重力によって恒星に向かって落下していく。回転を伴ったガス雲が恒星に落下していくと、角運動量の保存則に従って回転速度が大きくなり、遠心力が増していく。するといずれ重力とつり合うようになりガス雲の落下が止まる。この釣り合いは回転の軸方向では起こらないので、軸方向のガス雲は落下し続けて、最終的に原始惑星円盤と呼ばれる、円板状のガス雲になる。なので、基本的にこのガス雲から生まれた天体はこの円盤の中に軌道面を持つのが自然。ガス雲の中でチリが集積し、集積した微惑星と呼ばれる天体同士が衝突を繰り返すことで最終的に惑星になるというのがこれまでの惑星形成論。後は、恒星に近いか遠いかで、進化が異なるので地球型惑星ときょ巨大ガス惑星になる。
6 太陽系の特徴
質量
99%が太陽の質量
角運動量
99%が全惑星が持つ角運動量
各天体の自転方向と公転方向がそろって
おり、自転面・公転面もほぼ一致
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