テンペル第1彗星の素顔は? 表面近くに氷の存在も
2005年9月
子機がテンペル第1彗星にぶつかって16秒後の映像。

細かい粉末の層で覆われ、有機物もかなり豊富――米航空宇宙局(NASA)の探査機ディープインパクトが子機を衝突させたテンペル第1彗星(すいせい)の素顔が、明らかになってきた。表面近くの地下には氷の存在もうかがわれた。米国の研究グループが6日発表した。論文は9日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
ディープインパクトは7月4日、核が縦14キロ、横4.6キロほどのテンペル第1彗星に、重さ約370キロの子機を時速3万7千キロで衝突させた。
その際の噴出物を調べたところ、表面は直径1000分の1〜10分の1ミリの微粉末の層に覆われていた。この層は厚さ数十メートルあるとみられるという。同彗星の核は、こうした微粉末が緩やかに結合した構造で、比重は水の6割ほどしかないらしい。
噴出物からは、水や二酸化炭素、シアン化水素のほか、有機シアン化合物のシアン化メチルらしき物質も検出された。いずれも衝突の2、3分後に噴出量が急増していることから、核の内部に存在しているとみられるという。
彗星の核には、約46億年前に太陽系ができたころの惑星の原材料が閉じ込められていると考えられている。データ解析が進めば、太陽系の成り立ちや生命誕生の謎に迫る貴重な手がかりが得られそうだ。
国立天文台の関口朋彦研究員の話 彗星の核が微粒子で出来ていることは予想されていたが、それが実際に確認された。核の内部に有機物が豊富に存在することも初めて分かり、地球の生命の源となった有機物が大昔に彗星によってもたらされたとする学説を裏付ける証拠の一つになると考えられる。 |
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